美しい月に出逢う旅

~私という自然を生きる~

デイサービス巡りの冒険

本当はひとりでデイサービス巡りをする予定だった土曜日。

 

弟は全てケアマネージャーに任せればいいと言うが、私は気が気ではない。私のおせっかいは自覚しているが、両親のために下見は大切なことだと思うから後悔したくない。

 

そうしたら。

主人だけでなく息子も私の見解に同意してくれて、3人でデイサービス巡りをすることになった。「しかたなく」という義務感ではなく、「楽しそうかも」という自律的な気持ちで決行した。3人とも和気あいあいで、とても楽しいひと時になった。

 

1番目のデイサービス。

35人収容できる3階建ての立派な建物。文化的なお楽しみが多く、壁には千羽鶴や書道の張り紙。講師の指導で、座ったままできる体操を10人以上の利用者が実施していたが、皆さん楽しそう。片隅のテーブル席では、手芸クラブ(?)らしく、手指を使った工作をされている。ある程度、個人の自由参加にしているそうだが、ひとりにならないように目配りしているそうだ。昼食も季節の献立やイベントが目白押しで、クイズやゲームなどを多彩に取り入れている。こちらの施設はショートステイもでき、しかも同じ職員が担当するので、異なる施設に来るような疎外感はないとのことだ。ありがたい。数枚のチラシを頂いたが、その封筒に東京都青山と住所が記載されていたので、本所は東京にあるらしい。文化的なイベントが多彩なのは都会の影響かもしれない、と思った。

 

2番目のデイサービス。

同じように35人収容できる施設だが、こちらは平屋の真新しい建物。レンガ仕立てで、細長い。特筆すべきは、学童保育(幼児施設も)も同じ敷地内に併設されており、子供の声が聞こえてきて活気がある。避難訓練や運動会など、できるだけ児童と老人が一緒に交流ができるようになっているとのこと。これは利用者の方々に好評らしい。施設長(お若い方で40代中くらい?)がおっしゃるには、一番の自慢は職員が明るく親切なこと、そして昼食が美味しい事だとおっしゃる。どの職員さんもお若く綺麗な方ばかりで、本当に明るくフレンドリーだった。大歓迎ムード満点。1番目の施設同様、リクリエーションの時間だったが、利用者の方々は活発なゲームに夢中で、大声援を挙げていらっしゃった。男性比率が4割ということも驚いた。平屋のため、長く歩くことがリハビリにもなると言う。お昼寝スペースもとても広く、悠々としている。敷地が広いので、林の中をお散歩できるようになっている。これはとても魅力的だと思う。

 

3番目と4番目の10~15人収容できるデイサービスは、土曜が定休日になっていた。残念ながら様子は見られないが、周囲の環境はしっかり調査した。立地的な部分がイマイチであることと、1と2の施設が良すぎてしまい、あまり乗り気になれなかった。

 

5番目は急遽訪問した、父が行かなくなってしまったデイサービス。

この中では一番大きな施設で、地域包括センターも併設されている。さらに、認知症の方々が生活できるグループホームまで、近くの敷地に備えている。何の知識もなく紹介されたら、この一番立派な施設が良いに決まっていると思うに違いない。

見学が許可されたので、案内していただいたが、利用者の方々が静かに座っているだけなのが気になった。たまたまリクレーション時間でなかったのだと思うが、10人位いらっしゃるにも関わらず、ほとんど会話はない。入浴は重視しているようで、地元ならではの温泉施設。個浴ではないが、広いし清々しいのでこれはとても魅力的だと思った。職員さんが冷静沈着な方で、ある意味しっかりされているのだが、お役所仕事のように思えてしまった。この感じが父は気に入らなかったのかもしれない。相性の問題だと思うが、1,2の施設職員とは全く違った印象で、「百聞は一見に如かず」とはこのことだと痛感した。

 

私達3人は約2時間かけて5施設を訪問し、様々な意見を交換した。

そして、ほぼ同じような感想を抱いたのだ。

 

どんなことでも義務と思えば、視野は狭くなる。

しかし、今回のように「楽しい冒険」と思えば、どんどん視野が広がっていく。主人と私は息子に向かって「私達の時はよろしくね」と明るく声をかけ、息子は「90位まで頑張ってよ」と明るく返答する。こんな会話がとても楽しくて、まるで3人で旅行に出かけた時のようだった。こんな時間を私たちにくれている、両親に感謝しかない。

 

どんな時も、自分の気持ち次第。

辛いと思えば辛いし、楽しいと思えば楽しいのだ。

この気持ちを忘れないで、人生を豊かなものにしていこうと思う。