美しい月に出逢う旅

~私という自然を生きる~

帰郷の記録2023.10.8

今回は通院のない珍しい帰郷。

目的は2つあって、1つは母の介護認定再評価に向けた自主ヒヤリング。

そしてもう1つは、夕方から「主人・弟・息子・私」の初宴会である。

 

今回は電車を使って朝10時に実家へ到着。

まずは1つめの、自主ヒヤリングに着手した。同居していない私は、母の生活不自由度合いの全貌を知らない。ケアマネジャーとの打合せ前に、実況見分を実施したいと考えたのだ。母に協力してもらい、朝から晩までどんな動きをしているのか、現場検証しつつ行動をメモ。頑張り屋の母は、箪笥の引き出しなどを上手く活用して不自由な身体を支え、着替えに奮闘している。これまで私達に心配をかけまいと小さな努力を積み重ねて、「大丈夫だから」というセリフを口にしていたのだ。正直、全然大丈夫じゃない。涙が出てそうになった。

母の日常の動きを細かく知ることができたので、内容をExcel化して今後ケアマネに報告しようと思う。

 

母の検証後は、父の希望で温泉に行くことになった(やはり!)

行きつけの温泉は、両親の友人達が多くいらっしゃる。母は、不自由な身体を皆さまに披露したくないと言う。気持ちは痛いほどわかる。そこで、やや遠い板室方面に向かう事にした。運が良ければ、紅葉の始まりが見られる所だ。

 

既に何をするにも億劫になっている母は、日頃から「出かけたくない」と発するのだが、今回はドライブ中に「外の世界は楽しい」と言った。やはり、自然の力は偉大だ。外に出ると季節の移り変わりを感じ、気が清々するとのこと。加えて、家族みんなで出かけると安心感が違うのだろうと思う。

深い重みのある森や抹茶を思わせる木の葉。紅葉はまだわずかだったが、確実に秋への移り変わりを感じさせてくれる。母もまるで生き返ったようだった。

 

浴場での母は、やはり足がおぼつかない。

今回は、様々な場面で母の世話をしつつ、脱衣所でも先手先手を打ちながら、常に気を配りを続ける必要があった。大浴場ではある程度自由にしてもらいながらも、安全を確保し続けた。そして、母の身体、特に足周りや背中を中心にほぼ介護入浴に近い形でお世話をした。正直、今日の温泉で私がこんなにたくさん母をケアすることになるとは夢にも思わなかった。母はもう、自分では身体を洗うことが困難なのだ。

さらに、髪を洗うことも難しいことを知った。今回は私が美容師もどきを務めたのだけれど、洗髪やブローを通して、母が時折、気持ちいいと言ってくれる。何だか私の方がじんわり嬉しくなる。良い時間を頂いているなぁと感謝の気持ちがこみ上げた。

 

介護は私の心の奥底に、素敵な贈り物を届けてくれるのだと知った。

 

さて。

温泉から戻った後は、さらに大忙し。

18時からの会食までは約1時間程度。お洗濯もしたいし、両親の寝室掃除と水回りのお掃除は優先順位ナンバー1!必死に働き、集合時間ギリギリセーフのレベルで家を脱出した。

 

その後は予定通りに宴会を開始。

息子や弟の話はいつもあちこちに飛ぶが、どんな会話でも大らかに受け止めてくれる主人に感謝。

主人と弟の食の好みが、完全に正反対だったのには驚いた。両親のお祝いの席はコース料理だったため気づかなかったが、アラカルトで頼むと好みが際立つ。パスタひとつ頼むにも「さっぱり派とこってり派」で分かれたりした。少しづつシェアできる楽しさもあり、私には好都合だったけれど(笑)

 

日々、両親のお世話(特に通院と料理)で頑張ってくれている弟。

その弟が笑顔でいてくれて、とても嬉しい。大したことができない姉でごめんね。何とか家族の力になりたい。そのために、私ができることを探して行動していきたい。

 

秋刀魚のコンフィ。骨まで柔らかく驚きの声が上がる。とても美味しかった。

 

地元産の夢ポーク。脂身のある端が弟に大好評。

 

楽しい夜は更けゆく。大らかな自然の中のイタリアンレストラン。