美しい月に出逢う旅

~私という自然を生きる~

弟との45分

今日は仕事以外に、私的な予定を入れなかった。

息子が泊りに来ること以外は無防備だった私。しかし、昼食時に弟から来電があり、整形外科で手術をすることになったと報告を受けた。さらに帰宅後、用事ができたため入電すると、両親との話題で長話になった。

 

弟は独身を貫いており、現在は両親と同居中。

とても実直で優しく頼りになる。ともすると我慢し過ぎたり、自分を後回しにしがちなので、身体を労わるようやんわりとお声がけした。私は少し離れた場所に住んでいるが、いつでも実家に駆け付けられるよう心配りをしている。つらつらと両親との残りの時間に触れたりしながら、姉弟2人の結束を確認し合う。

 

弟も私と同じ予感があるのだろう。

 

あれほど終活に後ろ向きだった父が、お墓の土地購入に前向きになり財産相続についても自ら考えるようになった。一緒に住んでいる弟は、胸が潰れる思いに違いない。私でさえ時折そう感じるのだから、日常を両親と共にしている弟はなおさらだ。

父は昭和一桁時代に生を受け、苦労を重ねながら一代で今の暮らしを創生した。数々訪れる人生の分岐点において、「立つ鳥跡を濁さず」の姿勢が秀逸で、震えることがある。もちろんそれなりに短所もあるが、尊敬する人物のひとりである。

 

弟に話をもどそう。

弟はこの春、一般企業でいうところの部長クラスに就任した。業務で面倒を見る範囲が拡大し、馴染むまでのこの1年はストレスを抱えるに違いない。私は頼りない姉かもしれないが、いつでも力になるからと伝えて長電話を終えた。