美しい月に出逢う旅

~私という自然を生きる~

長谷寺で初体験

「鎌倉ひとり旅」の最終話です。

以前、プロローグではこんな予告をしました。

 

 

1話完結予定でしたが、書く内容が多すぎて各項目ごとにUPしている現状…。今回は端的に進めていきたいです。一番書きたかった長谷寺を代表で表題としました。

 

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大仏様と再会

鎌倉の大仏様は高徳寺にいらっしゃる。今回で(おそらく)3回目。両親にお守りをと思ったが、夫婦長寿箸が目に留まり、それをお土産にした。御朱印帳をお願いしている間、内部もお参りした。ここでの魅力は大仏様の内側に入れることではないだろうか。大仏様との一体感が半端ない。内側の壁に手を置きシャッターを切った。こんな感じだったと昔の記憶を思い出しながら。

 

長谷寺で初体験

実は、長谷寺に到着した時はここがメインになるとは思ってもみなかった。それどころか、北鎌倉の建長寺へ行きたくて最後まで葛藤していたくらい。しかし、入場入口でふっと思い出し、予約なしでは無理ですよね?と写経について聞いてみた。それが功を奏し、人生初体験の写経に挑むことになったのだ!

 

受付時間が決まっており、早く行かれよと促された。入場5分後には全く予定外の写経会場の門をくぐることになる。そこはとても神聖な場で、枯山水や整った植栽が配されており、静謐な空気が流れていた。観光とは一線を画す区間。もちろん、写真はNGである。写経入口に受付があり、係の方が丁寧に説明してくださる。初心者の私は、様々な質問をして失礼のないよう心を引き締めた。

 

30分・90分・120分(写仏)のコースが選択できる。料金は一律1200円。筆記のお道具は、筆・筆ペン・ボールペンがある。私は筆を購入し、墨や硯はお借りした。90分のコースを決意した時に、これ以降の観光は放棄する覚悟だった。果たして初心者でも90分で完成するのだろうか?

 

お席を決めて墨を擦る。墨と硯は何年ぶりだろう?私はこの香りが好きだったことを思い出した。かなり昔のことになるが私の書道歴は約10年。段位を取得したことが懐かしい。一気に昭和時代を思い出す。とろりと程よい濃さになったことを確認し、半紙に筆を下ろす。この感触!ますますじんわりと懐かしさを感じる。もう数十年ぶりにも関わらず、筆遣いの抜き差しを覚えている自分に驚いた。芸は身につくものなのだと感心した。

 

最後に願い事を記す余白がある。これは今回初めて知った。写経に関しては静かな驚きの連続であった。無心で書き続けること約80分。途中で少し間合いも取りながら、余裕をもって仕上げることができてホッとした。

 

両親が常に心安らかでいられますように

 

これが私の、今回の願い事になった。人間が人間である以上、どんな人でも死は避けられない。避けられないのであれば、せめて心安らかでいられますように。それが何よりの願いではないかと考えた。両親に習わせていただいた書道で、両親の為に写経ができる幸せ。とめどなく涙が零れ落ちた。

 

HPで確認すると、この納めた写経用紙は翌日に観音堂へ運ばれ、毎年11月18日の写経清浄会の際に経蔵に納められるのだそう。大切に扱ってくださることに感謝である。

 

写経の後は、ご本尊の十一面観音菩薩(高さ9.18m)をお参りしたり、寺内を散策したり。私は弁天窟が一番良かった。もともと、鍾乳洞が大好きなのでこんな秘境めいた洞窟内はわくわくする。端正な長谷寺のお庭と相反する異世界に迷い込んだような不思議空間。興味のある方はぜひ…。

 

さて。お昼をすっかり回った14:00。お寺の中で豆まんを頂いた。これが私のお昼になった。途中でお腹がすき、草餅をほおばったのも良い思い出。

 

久しぶりの小町通り

その後、鎌倉に戻り「小町通り」を歩いた。ここは通り道としてのみの散策。

 

3度目の鶴岡八幡宮

1度目は、母と息子と私の3人で訪問。この時は大銀杏がまだ健在だった。2度目は主人と。この時は折れた大銀杏本体の修復に力を入れている様子だった。3度目の今回は切り株と育った新木が別々になっていた。おそらく元気に育ったため植栽されたのでしょう。

 

アンティークを愛でる心

私はイギリスのアンティークが好きなので、この地でも「フローラル」というお店を訪問。とても丁寧な接客を受けた。購入には至らなかったが、機会があったら再訪したい。こうしてみると、鎌倉ひとり旅は、和洋問わず、古きを愛でる旅だったのかもしれません。

 

最後に…

今回のひとり旅は、自由気ままに自分を取り戻したような旅だった。

誰かに合わせるのではなく、自分の足で踏みしめる。まっすぐに自分の気持ちを優先する旅。そんな旅もまた素敵だ。今後は自己成長を確認する意味でも、ひとり旅、ぜひトライしていきたい。