主治医からお話しを伺った金曜日。
母の容態に翳りが見えるため、約1時間近く詳細説明があった。血液検査はあまり悪くないものの、心不全や肝硬変や腎不全など、複数からなる心配事がある。当然、容態急変もありうるため、深刻な書類にサインが必要だった。
弟が代表のため、実質的には私の同席は必要ない。
しかし今回は主治医からのお話も直に聞きたいし、母を側で感じていたいため同行を決めて帰郷した。
ひとまず実家に向かったところ、父までもがお見舞いに行きたいと言う!
大病院の面談はとても厳しく、「代表者として登録している1名のみが15分(水・金)」というルールだから、弟以外は誰も入室はできない。そこで、今回は息子がTV電話の活用を提案してきた。初めは家族全員で集まることは不可能と思われたため、私と弟とで実行するつもりだった。しかし、今回は家族全員が時間調整を行い、最終的には気まぐれの父までもが当日同席を希望したため、なんと家族総出となった。
チャンスは15分のみ。
失敗は許されない!
この緊張する一発勝負に私達家族は勝利した!
TV電話越しではあるが、家族全員が母と話せた。快挙だと思う!
*********
少し話は前後するが、さらに嬉しい奇跡が起きた。
実は、母との面談前に実施された主治医との面談時に、「父も同行しているので一目合わせて頂けないか」と私から申し出たところ、規則違反にも関わらず許可していただけたのだ!なんてラッキーな父!
という訳で、病室では「弟・父・母」が直接面談。
息子の車で待機中の「息子(孫)・私」とはTV面談が実現した。
話せたのは僅か5分程度だったと思う。それでも全員が満足する貴重な時間となった。
感謝しかない。
*********
後日談として弟から聞いた話だが、父は病室で何も話せなかったそうだ。
母の伸ばした手をしっかりと握りしめていたひとときだったらしい。口を開くと涙が零れそうだったから‥。その沈黙の中、息子と私とが中継されて、母が嬉しそうに話している姿を見ていた父は、とても嬉しそうだったとのことだ。これも良かった!
もしも息子からTV電話の提案がなければ
もしもそのTV電話自体のタイミングが合わなければ
もしもスタッフにそれを遮られたら
もしも父が同行しないと言ったら
もしも主治医が父の同席を許さないとしたら、、、
何をとっても実現しなかった、今回の15分間。
小さな奇跡だと言わずにはいられない。
辛い告知と暖かな時間。
そんな瞬間を私達家族はいま生きている。